動画を視聴したり、インターネットで調べ物をしたりする際に、WiFiを使用しているという方は多いと思います。しかし、使用するWiFiの規格によりインターネットの使い心地に影響があるという点を認識している方は少ないかもしれません。
そこで本記事では、今後普及が期待されている「Wi-Fi 6」とは何か、これまでのWiFiとの違いや、そのメリットやデメリットをご紹介していきます。快適にインターネットを楽しみたいという方はぜひ参考になさってください。
本記事は2022年9月6日に作成されました。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。
Wi-Fi 6とは?
そもそも「WiFi」とは、パソコンやスマートフォンなどの「端末」をインターネット接続するための無線ネットワーク規格のこと。そして、「Wi-Fi 6」とは、最新(2021年現在)のWiFi規格のことです。
WiFiの規格を決めているのはアメリカのIEEE(アイ・トリプル・イー)という学会で、日本語では米国電気電子学会と呼ばれています。
IEEEではさまざまな規格の標準化活動が行われており、無線LAN関連は「11」というワーキンググループが担当し、その下に複数のタスクグループが存在します。WiFiの規格は1997年に標準化され、「IEEE 802.11」の後ろにアルファベットを付けて世代を表すことになりました。それぞれの世代のアルファベットは、そのタスクグループの識別子です。
つまり、Wi-Fi 6と呼ばれる最新のWiFi規格は、「IEEE 802.11ax」が正式な規格名です。しかし、覚えにくいためWiFiの普及を行っている団体「Wi-Fi Alliance」が、最新のWiFi規格「IEEE 802.11ax」の正式名称を「Wi-Fi 6」にすると発表しました。
Wi-Fi 6は第6世代のWiFi規格という意味です。5世代は「11ac」もしくは「Wi-Fi 5」、第4世代は「11n」、もしくは「Wi-Fi 4」と呼ばれています。
従来のWiFiとの違い
Wi-Fi 5の最大通信速度が6.9 Gbpsだったのに対して、Wi-Fi 6では9.6Gbpsまで速くなっています。
また、Wi-Fi 5は、5GHz帯に対応していなかったのに対して、Wi-Fi 6は、5GHz帯と2.4GHz帯の両方が使えます。そのため、電波の状況に応じてつなぎ変えても快適に使用することができます。
従来のWiFiとWi-Fi 6がどのように異なるのか、歴代のWiFi規格の速度や帯域などを以下の表にまとめました。
世代 | 新名称 | 規格名 | 速度 | 帯域 | サービス開始日 |
第1世代 | ― | IEEE802.11 | 2Mbps | 2.4GHz帯 | 1997年6月 |
第2世代 | ― | IEEE802.11a | 54Mbps | 5GHz帯 | 1999年9月 |
― | IEEE802.11b | 11Mbps | 2.4GHz帯 | 1999年9月 | |
第3世代 | ― | IEEE802.11g | 54Mbps | 2.4GHz帯 | 2003年6月 |
第4世代 | Wi-Fi 4 | IEEE802.11n | 600Mbps | 2.4GHz帯 /5GHz帯 | 2009年9月 |
第5世代 | Wi-Fi 5 | IEEE802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz帯 | 2013年12月 |
第6世代 | Wi-Fi 6 | IEEE802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz帯 /5GHz帯 | 2020年1月 |
Wi-Fi 6のしくみと使い方
Wi-Fi 6も従来のWiFiと同じように無線による通信の規格です。インターネットに接続するにはWiFiルーターを使って端末を接続します。
Wi-Fi 6に対応しているルーターは、古い世代のWiFi規格にも対応しています(下位互換)。そのため、今使っているスマートフォンやタブレット、パソコン、スマート家電がWi-Fi 6に対応していなくても接続が可能です。パソコンやスマートフォンなどの端末をWi-Fi 6対応のものに買い替える必要はありません。
Wi-Fi 6のメリット
以下、最新のWiFiである「Wi-Fi 6」を使用するメリットを3つご紹介します。
高速通信ができる
Wi-Fi 6の最大通信速度は、Wi-Fi 5と比較すると約1.4倍も高速。そのため、8Kや4Kなどの高画質な映像閲覧やネットゲームの配信も快適になります
同時に複数端末に接続しても回線が安定する
これまでのWiFiは複数の端末を接続すると通信速度が遅くなることがありました。しかし、Wi-Fi 6には「直交周波数分割多元接続(OFDMA)」という技術が採用されており、1通信で複数台の端末に電波が届きます。
Wi-Fi 5では、複数台の端末が同時に接続した場合、時分割で1端末ずつ順番に通信の割り当てを行うためにタイムラグが発生していました。しかし、OFDMAの技術を採用したWi-Fi 6では通信帯域を分けることにより、1通信で同時に複数の端末と通信できようになり、通信の順番待ちをする必要がなく複数の端末を接続しても回線が安定するようになりました。
パソコン・タブレット・スマートフォンなど複数台に繋げても「繋がりにくい」「遅い」と感じることは少なくなるのです。
バッテリー消費を抑えられる
Wi-Fi 6には、「TWT(Target Wake Time)」と呼ばれる技術が搭載されています。TWTは通信するタイミングをコントロールする技術。通信の必要がない時に端末の通信機能をスリープ状態にすることで消費電力を抑え、バッテリーを長持ちさせる効果があります。
Wi-Fi 6のデメリット
Wi-Fi 6に対応している端末がまだ多くなく、高額であるという点がデメリットといえます。iPhoneの場合、iPhone 11・12・13シリーズやiPhone SE(第2世代)のみ。Android OSの場合、サムスンの Galaxy S20/S10シリーズやシャープのAQUOS R5Gなどの一部のスマートフォンのみがWi-Fi 6に対応しています。
しかし、今後Wi-Fi 6が普及していくにつれて、対応する端末も増え、価格も落ち着いてくると考えられます。
「5G」のサービス開始によりWi-Fi 6の普及が予想される
Wi-Fi 6は、自宅やオフィスなどの限定されたエリアでの通信に対応。第5世代移動通信システム「5G」は、基地局を経由して広範囲の通信に対応しています。
つまり、Wi-Fi 6と5Gはお互いの弱点を補填する役割を果たすことで、いつでもどこにいても高速通信が可能となり、AIの活用やIoTの普及など社会のインフラになることが予想されます。
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(※1)Speed Wi-Fi 5G X11で5G回線に接続した場合の下り最大通信速度です。5G通信は一部エリアで提供。最新エリア情報はUQホームページでご確認ください。
(※2) 月間のデータ通信量に上限がなく、通信速度制限(月間15GB超)が適用されません。ただし、プラスエリアモードで当月の通信量が15GBを超えた場合、当月末までの通信速度が最大128kbpsに制限されます。スタンダードモードは制限の対象外です。また、前日までの直近3日間で通信量の合計が15GB以上となった場合、ネットワーク混雑時間帯に通信速度を概ね1Mbpsに制限します。なお、エリア混雑状況により速度を制限する場合があります。
Wi-Fi 6ならインターネットもサクサク使える
最新の規格である「Wi-Fi 6」は、Wi-Fi 5と比較すると通信速度が約1.4倍速く、高画質な映像も快適に楽しめます。また、通信速度が速いだけでなく、複数の端末を繋げても回線が安定し、バッテリーの消費を抑える技術も搭載されています。
今後は、パソコン・タブレット・スマートフォンだけでなく、家電を含めさまざまなものがインターネットに接続され、IoTの普及が進んでいくと考えられます。それらに対応し、快適にインターネットを使用するために、Wi-Fi 6は大きな役割を果たしていくことでしょう。