「WiFiを別の部屋で使いたいけど、距離が足らない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
WiFiの電波が届かない要因としては、障害物や電波干渉などが考えられます。距離が足りないと感じたら、まずはこのあたりを見直してみたいところです。そのほか、ルーターの買い替えや中継器の導入なども有効な対策となります。ただ、いざ通信環境を見直すとなると、何から始めて良いのか迷ってしまうところだと思います。
そこで本記事では、WiFiの通信範囲を広げる方法を詳しく解説をします。WiFiの届く距離を広げて、もっと快適にインターネットを使用していきましょう。
本記事は2022年3月3日に作成されました。現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。
WiFiの電波が届く距離は100mほど
WiFiが届く距離は、一般的に屋内では100m程度、屋外では500m程度となっています(※)。
ただし、これはあくまで障害物などが全くない理想的な環境でのスペックです。実際の使用環境では、障害物など電波を妨げる要因があるため、電波が届く距離はもっと短くなります。
屋内で使用する時に電波が届きにくくなる要因としては、「障害物」と「電波干渉」の主に2つが挙げられます。
(※) 参考:au「よくあるご質問」(https://www.au.com/support/faq/view.k1112052180/)
【届きにくくなる要因】障害物が遮断している
WiFiは壁を隔てただけでも、電波が届きにくくなります。障害物があると一部が遮られてしまい、突き抜けて進める電波の強度は弱くなります。
特に金属は電波を吸収・反射しやすい性質があり、金属の棚や、鉄筋コンクリートの壁などがあると電波は届きにくくなります。また、金属性の素材を使った断熱材が壁や床に使われている場合も、電波は届きにくいです。
そのほか、WiFiは水の中を透過しにくい性質があるので、WiFiルーターの近くに水槽や花瓶などがあると障害になる可能性があります。
【届きにくくなる要因】電波が干渉している
電子レンジやテレビなどの家電製品との電波干渉も、電波が届きにくくなる要因です。家電製品では、WiFiと同じ2.4GHz帯の電波を使用しています。
特に電子レンジは使用する電磁波が強く、本体から漏れ出ているケースも多いので注意が必要です。電子レンジから漏れた電磁波がノイズとなり、電波干渉を起こしてしまうことがあります。
WiFiルーターの種類によって届く距離は違う?
WiFiが届く距離は、WiFiルーターの機種ごとに異なります。WiFiルーターの商品ページや、パッケージなどで電波の届く距離について「2階/~3LDK」といった記載を見かけることも多いと思います。
電波が届く距離のスペックの違いは、アンテナの数や性能が主な要因です。ハイスペックなモデルほど、アンテナの数が多かったり、性能が良かったりと、遠くまで通信できる仕様になっています。
なお、電波の出力については、WiFiルーターごとに大きな差はありません。これは電波法によって電波の出力が制限されているためです。
電波法について
電波法でのWiFiルーターの出力上限は10mWとなっています。2010年に電波法が改正され、免許を必要としない無線局の出力上限は引き上げられたものの、この緩和された上限はWiFiルーターには適用されていません。
したがって国内で購入できるWiFiルーターについては、どの機種を購入しても10mW以内の出力となります。WiFiルーターの電波の出力については大きく差がないということです。
WiFiの通信範囲を広くする方法5選!
「WiFiの電波が届かない」「通信が安定しない」と感じたら、以下の5つの対策を試してみましょう。
①障害となる要因を減らす
②WiFiの周波数帯を変える
③ルーターのアンテナの向きを変える
④便利機能が搭載されたルーターを使う
⑤中継器を使う
まずは、障害物を減らす、アンテナの調整、WiFiの周波数帯を変更してみるといった基本的な対策を試してみましょう。また、ルーターの買い替え、中継器の導入など通信機器の見直しも必要に応じて検討したいところです。
5つの対策方法をそれぞれ見ていきましょう。
①障害となる要因を減らす
まずはWiFiルーターの通信を遮る障害物がないかを見直してみましょう。WiFiルーターの近くにはできるだけモノを置くのは避けるべきです。すでにご紹介した通り、金属製の棚や、電子レンジなどの近くは要注意です。
設置場所としては、障害物を避けつつ、床から1~2mほどの高さで部屋の中央付近が理想的です。電波は円形に広がるので、窓際や壁際ではなく部屋の中央に設置すると、壁や床の影響を受けることなく、部屋の隅々まで電波が届きやすくなります。
②WiFiの周波数帯を変える
WiFiの周波数帯は「2.4GHz帯」と「5GHz帯」の大きく2種類があります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
2.4GHz帯 | ・遠方まで電波が届く ・障害物に強い | ・家電などと電波干渉しやすい ・通信速度が5GHz帯よりは遅い |
5GHz帯 | ・電波干渉を受けにくい ・高速で通信が可能 | ・障害物に弱い ・電波の届く距離が比較的短い |
2.4GHz帯は、周波数が低い分、電波が遠方まで届きやすく、障害物にも強いのが特徴です。離れた部屋で電波が届かない場合には、2.4GHz帯を試してみましょう。
一方で電波干渉が原因で通信が安定しない場合は、5GHz帯が適しています。
2.4GHz帯は電子レンジなどでも使われる周波数のため電波干渉する可能性があります。5GHz帯については、WiFiのみで使われる周波数帯のため、電波干渉を回避できます。
③ルーターのアンテナの向きを変える
WiFiルーターによってはアンテナが外部にあり、自在に向きを変えられるものもあります。
こうしたWiFiルーターを現在使用しているのであれば、アンテナの向きや角度を変えることで、特定の方向(水平方向、垂直方向など)へ電波を届きやすくすることが可能です。使用したい場所で電波が届かない場合には、アンテナの向きや角度を調整してみましょう。
④便利機能が搭載されたルーターを使う
「ビームフォーミング」や「MIMO」といった機能のあるWiFiルーターへの買い替えも方法の1つです。
「ビームフォーミング」は、端末の位置を特定して集中的に電波を飛ばす機能です。受信側に届く電波が強くなり、通信速度や到達距離の改善が見込めます。
また「MIMO」は送信側、受信側のそれぞれで複数のアンテナを同時に使用して通信する機能です。通信の高速化が期待できるのはもちろん、電波も繋がりやすくなります。
⑤中継器を使う
中継器はWiFiルーターの電波を中継し、電波が届く範囲を広げてくれる機器です。「障害物を減らす」「アンテナの向きの調整」といった基本的な対策をしても電波が届かない場合は、中継器の使用も考えてみたいところです。自宅の2階など、離れた場所でも電波が届くようになります。
コンセントに直挿しして手軽に使えるタイプのものもあるので、設置の手間やスペースの問題が気になる方は、このあたりを検討してみると良いでしょう。
モバイルWiFiルーターの使用もおすすめ
自宅でWiFiの電波が届かないところがあるなら、モバイルWiFiルーターの導入も検討してみたいところです。
モバイルWiFiルーターならいつも手元においておけるので、今までWiFiの電波が届かなかった部屋でも、快適にインターネットが使えます。
また、モバイルWiFiルーターなら外出先でもインターネットが使えます。外出先のカフェなどでもインターネットに接続してパソコンで作業できるのは、モバイルWiFiルーターならではの魅力です。
そのほか、モバイルWiFiルーターをいつも持ち歩けば、携帯電話の回線でのデータ通信量も節約できます。結果として携帯電話会社での通信費の節約にも繋がります。
モバイルWiFiルーターを検討するなら、WiMAXが使用できる「Broad WiMAX」の回線サービスがおすすめです。
Broad WiMAXでは、5G対応の新プラン「ギガ放題プラス」「ギガ放題プラスDX」がスタートしています。WiMAX 2+に加え、au 4G LTE(1.7GHz、2GHz帯)、au 5G(3.7GHz帯)が使用できるプランです。下り最大2.7Gbps(※1)はWiMAX史上最速で、動画もゲームもサクサク快適に楽しめます。
標準モードにはデータ通信量の上限(※2)もないので、思う存分データ通信が使用できます。また、プラスエリアモードでは700MHz・800MHzといったプラチナバンドのau 5Gでも通信することができます。ただし、5Gを使用できるエリアは一部となります。
5G対応のモバイルWiFiルーターとしては、Broad WiMAXでは「Galaxy 5G mobile Wi-Fi」などの取り扱いがあります。
(※1) 本サービスはベストエフォートサービスです。記載の速度は5G通信時の技術規格上の最大値であり、実使用速度を示すものではありません。また現在、5G提供エリアは一部に限定されております。
(※2) ネットワークの混雑回避のため、一定期間内に大量のデータ通信のご利用があった場合、混雑する時間帯の通信速度を制限する場合があります。
Galaxy 5G mobile Wi-Fi
Galaxy初の5G対応モバイルWiFiルーターです。最大2.2Gbps(※)の高速通信に対応。5.3インチの大画面のタッチパネルを搭載し、データ使用量や電波強度はメーター形式で確認できます。バッテリー容量は5,000mAhと大容量で、外出先でもたっぷり通信を使用できます。今までのモバイルWiFiルーターにはないような高いスペックが盛り込まれているのが魅力です。
5Gの提供エリアは順次拡大中です。ご自身の使用するエリアで使用できるかについては、「UQ WiMAX公式 サービスエリアマップ」からご確認ください。
(※) 本サービスはベストエフォートサービスです。記載の速度は5G通信時の技術規格上の最大値であり、実使用速度を示すものではありません。また現在、5G提供エリアは一部に限定されております。
遠距離でもWiFiの電波が届くように工夫しよう
WiFiの電波が届きにくい場合、「障害物を減らす」「アンテナの調整」「WiFiの周波数帯」を変更してみるといった基本的な対策を試した上で、必要に応じて「ルーターの買い替え」」「中継器の導入」なども検討しましょう。 また、通信環境を見直すこのタイミングで、モバイルWiFIルーターを使ってみるのも方法の1つです。いつも手元に置いておけば、通信は安定します。ぜひ参考に自宅の通信環境を見直してみてください。