無線通信を利用しているWiMAXは、通信速度が速く持ち運びもできるため非常に便利。現在では、WiMAX2+で下り最大440Mbpsの高速通信が可能です。
しかし、高速通信技術の種類は1つではなく、WiMAXを利用するためのWiMAX端末では採用している技術が異なります。そのため、どの端末を選べば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。
今回は端末選びの参考として、WiMAXの通信モードであるCA(キャリアアグリゲーション)と4×4MIMO(フォーバイフォーマイモ)の違いをご紹介します。
本記事は2021年12月08日に作成されました。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。
まずはWiMAXの歴史をおさらい

WiMAXは高速移動体方式の通信規格の1つで、日本では「UQコミュニケーションズ」が「UQWiMAX」としてサービスを提供していることで知られています。
サービス開始は2009年で、当時は無線通信で下り40Mbpsのスピードでした。
当時の携帯電話の3G回線の下りの通信速度が10Mbpsであったため、比較してもかなりの高速であるといえます。
2013年にはWiMAX2+のサービスが開始されました。当初の下り通信速度は110Mbpsでしたが、2015年から下りの最高速度は220Mbpsまで高速化しました。無線通信でありながら固定回線である光回線並みのスピードです。
その高速通信を支えている通信モードが、CAと4×4MIMOです。
なお、2021年にはWiMAX +5Gのサービスがスタートし、下り最大2.7Gbpsを実現しました。
CA(キャリアアグリゲーション)とは

CA(キャリアアグリゲーション)とは、「キャリア=電波」「アグリゲーション=集める」という意味で、異なる2つの周波数の電波を束ねて速度を倍にするシステムのことです。
受信最大110Mbpsエリアの2つの電波を束ねれば、最大220Mbpsの高速通信ができます。また、片方の電波の通信状況が悪くなった場合も、もう片方の電波で通信できるため安定化の効果もあります。
4×4MIMO(フォーバイフォーマイモ)とは

4×4MIMOは、基地局側と端末側にそれぞれ4つのアンテナを利用し、同じ周波数の電波で複数のデータを同時に送受信するシステムです。通信量が増えるため、下り最大220Mbpsの高速通信が実現できます。
4×4MIMOでは、電波を送信する基地局の4つのアンテナそれぞれから端末に電波が送られます。そのため端末側には高度な演算性能が求められます。
4×4MIMOは基地局、端末のアンテナが4つになることで、電波をさまざまな角度から反射させて通信することができます。従来の通信モードの場合、建物が多いと通信のための電波が建物に反射していまい、通信の障害となることがありました。しかし、4×4MIMOは電波の反射を利用した通信方法のため、建物が多い都市部でも快適に利用できるというメリットがあります。
CAと4×4MIMOの特徴
2つの通信モードの特徴をまとめました。
CAの特徴
仕組みが単純であるため、対応エリア内であれば通信場所の影響を受けにくく、安定した高速化を期待できます。
しかし、利用には基地局側の対応が必要となるため、前もって使用エリアの対応状況を確認する必要があります。
4×4MIMOの特徴
仕組みが複雑であるため、通信場所の影響を受けやすく、建物の多い都市部での通信スピードの高速化は見込めるものの、障害物が何もない場所では目立った高速化は見込めない可能性があります。ただし、基地局の混雑に関しては影響がありません。
また、必要となるのは端末側の対応のみで、基地局側の対応が不要です。
おわりに
現時点では、2つの通信モードを併用している端末はありません。しかし、「UQコミュニケーションズ」は、2016年以降にCAと4×4MIMOを組み合わせた下り最大440Mbpsのサービスを開始しています。
同じ周波数の電波を有効活用するMIMOは、すでに8×8MIMOも想定されているため、今後ますます高速通信の技術は発展することが予想されます。
最新の通信モードに対応した機種を選び、携帯性と固定回線にも負けないスピードを兼ね備えた無線通信端末で、快適なネットライフを楽しみましょう。

Broad WiMAX通信編集部

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