WiFiの電波には、2.4GHzと5GHzと2つの周波数帯があります。なぜ、わざわざ2つの周波数帯が設定されているのでしょうか。
それは、それぞれの周波数帯での強みや弱みがあり、環境に応じて使い分けた方がWiFiの性能を発揮しやすいからです。
ここでは、2.4GHzと5GHzの特徴や、機能的なメリット・デメリットを詳しく解説します。また、併せておすすめのWiFiルーターも紹介します。
本記事は2022年4月4日に作成されました。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。
WiFiの2.4GHzと5GHzの違い
WiFiの2.4GHzと5GHzの違いを説明する前に、WiFiの歴史を説明しましょう。
WiFiは、「IEEE802.11」という国際標準の通信規格を使った、無線LAN技術のブランドです。その意味では、無線LANとWiFiは、厳密にいえば同じものではありません。
ですが、日本ではほぼ「無線LAN=WiFi」と言っても差し支えないでしょう。
IEEE802.11の登場は1997年で、2000年には業界団体のWi-Fi Allianceによって「Wi-Fi」ブランドが制定されました。
2.4GHz帯の周波数帯は、WiFi当初の規格である「IEEE 802.11b」から使用されていました。その後、WiFiは規格をバージョンアップするごとに、高速化や通信の安定性が図られてきました。その過程で活用されるようになったのが、5GHzの周波数帯です。
2021年に策定された最新規格の「IEEE 802.11ax」では、2.4GHzと5GHzの両方を利用できるようになっています。
下記の表の「最大通信速度」の速度差を見ると、WiFiのスピードが20年でいかに速くなったかが分かるでしょう。
WiFi規格の変遷
無線LAN規格 | 策定時期 | 最大通信速度 | 周波数帯 |
---|---|---|---|
IEEE 802.11a | 1999年10月 | 54Mbps | 5GHz |
IEEE 802.11b | 1999年10月 | 11Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11g | 2003年6月 | 54Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11n | 2009年9月 | 600Mbps | 2.4GHz/5GHz |
IEEE 802.11ac | 2013年12月 | 6.9Gbps | 5GHz |
IEEE 802.11ax | 2021年2月 | 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz |
2.4GHzと5GHzは通信性能や安定性での違いがある
5GHzと2.4GHzとの違いは、ひとことで言えば、通信性能と安定性です。
トータルでの通信性能が高いのは、5GHzです。5GHzはWiFi専用の周波数帯なので、環境による干渉が少なく、通信速度が速くて安定しています。
それに対して2.4GHzは、WiFiだけでなく、電子レンジやIHクッキングヒーター、Bluetoothなど、さまざまな製品で使用されている周波数帯です。そのため、使用している環境によっては干渉を受けやすく、通信が安定しないような場合があります。
とはいえ、実は一概に「2.4GHzよりも5GHzの方が優れている」というわけではなく、それぞれにメリットとデメリットがあることも事実です。
事項からは、2.4GHzと5GHzに分けて、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。
2.4GHzのメリット・デメリット
2.4GHzのWiFiには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット(1) 電波が遠くまで届く
2.4GHzのWiFiは、5GHzに比べて電波が遠くまで届きやすいというメリットがあります。
また、壁に跳ね返っても電波が減衰しづらいことも、デバイスの接続には強みです。
メリット(2) 壁などの障害物に強い
無線電波の共通の弱みとして、壁などがあると電波が遮られやすいといった問題があります。それはWiFiも同様ですが、2.4GHzのWiFiは、5GHzのWiFiに比べると、壁などの遮蔽物に比較的強いという特徴があります。
そのため、部屋をまたいだWiFiの利用にも適しています。
メリット(3) 広く普及している
2.4GHzの周波数帯は、WiFiの登場時から使われてきた、ある意味、WiFiのスタンダード規格です。2.4GHzに対応していないWiFi機器は、まずありません。
互換性を気にすることなく、安心して使うことができます。
デメリット(1) 電波干渉が発生しやすい
2.4GHzという周波数帯は、他の電波機器やBluetoothなどと共通して使われています。そのため、電波干渉を受けやすいというデメリットがあります。
電子レンジなどを使用すると、途端にWiFiが不安定になったりするのはこのためです。
デメリット(2) 通信速度が遅い
2.4GHzのWiFiは、5GHzに比べて比較的速度が遅くなります。
もっとも、2.4GHzでも十分なスピードは出るので、普段使いには何の不自由もありませんが、ネットゲームをしたり、重たいファイルをやり取りする時などは、差が気になるかもしれません。
また、複数のデバイスを同時接続した場合も、速度遅延のリスクが高くなります。
5GHzのメリット・デメリット
5GHzのWiFiには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット(1) 電波干渉が発生しない
5GHzはWiFi専用の周波数帯なので、他の電子機器の干渉を受けることがありません。
そのため、電子レンジなどを使用しても、WiFiが不安定になるようなトラブルとは無縁です。
メリット(2) 高速通信ができる
5GHzのWiFiは、2.4GHzと比較して高速です。最近のネット環境は、動画やネットゲームなどスピードを求められる場合も少なくないので、そんな時は、5GHzの高速性が大きな味方になります。
また、複数のデバイスを同時接続しても、速度の遅延はあまりありません。
デメリット(1) 障害物に弱い
5GHzは、壁など電波を遮る遮蔽物には2.4GHzよりも弱いです。自宅やオフィスなどで、 壁や階数などをまたぐ場合は、電波を増強する中継機などを使用する必要があるかもしれません。
デメリット(2) 遠方まで電波が届きにくい
5GHzのWiFiは、2.4GHzよりも通信可能な距離が短く、 遠方まで電波が届きにくい傾向があります。そのため、デバイスとの距離が比較的近い場合での使用に向いています。
2.4GHzと5GHz、WiFiはどちらがおすすめ?
以上のように、2.4GHzと5GHzそれぞれのメリットとデメリットを整理してきました。その上で、どちらがおすすめなのでしょうか。
ベストな選択は、基本的には速度や安定面で優れている5GHzだといえます。しかし、5GHzではかえってWiFiがつながりにくいような環境もあります。また、デバイス側が5GHzに対応していないような場合もあります。
そんな時は、2.4GHzを使うといった「使い分け」をするのが、賢い使い方であるといえます。
古いWiFiルーターや安価なWiFiルーターでは2.4GHzしか使用できないものもありますが、現在、一般的に販売されているほとんどのWiFiルーターは、2.4GHzと5GHzの両方の周波数帯に対応しています。
そして、通常は両方の電波を同時に出していて、デバイス側で選択することができます。
両対応しているWiFiルーターなら、WiFiルーターとデバイスを接続するとき、例えばパソコンは2.4Ghz、タブレットは5GHzと、両方の周波数帯を同時使用することもできます。
おすすめのWiFiルーターは、Broad WiMAX!
「WiFiを使いたいけれど、どんなWiFiルーターがいいの?」と迷ったとき、おすすめはBroad WiMAXのWiFiルーターです。
通常のWiFiルーターは、あくまで「WiFiの電波を出す機械」で、光回線などのインターネット回線と有線で接続されている必要があります。バッファローやエレコムなどが販売しているWiFiルーターはこれに当たります。
それに対してBroad WiMAXのWiFiルーターには、モバイル通信回線を使ったインターネット回線が内蔵されています。そのため、WiFiルーター単体でインターネットができるのです。
なお、Broad WiMAXのWiFiルーターは、据え置き型の「ホームルーター」と、持ち運んで使える「モバイル型WiFi」を、同様のプランで提供しています。
なぜBroad WiMAXがおすすめなのか?
Broad WiMAXのWiFiルーターには、インターネットを利用するにあたって、さまざまなメリットがあります。
なお、Broad WiMAXのWiFiルーターは、2.4GHz、5GHzとも利用できます。
Broad WiMAXの特長(1) インターネット開通が早い
Broad WiMAXの申し込みはネットで完結します。そして、機器が届いたその日から利用が可能なので、申し込みから数日でインターネットが開通します。
光通信のように「申し込んでも開通までに数週間〜数ヶ月かかる」ということがなく、格段に早いインターネット開通が実現します。「早めに使いたい!」というニーズにも応えます。
Broad WiMAXの特長(2) 高速回線
Broad WiMAXは、高速モバイルインターネットのWiMAX2+を始め、au 4GLTE、au5Gの3回線を自動切り替えし、常に最適な通信環境を提供してくれます(※1)。
回線速度は、下り最大速度2.7Gbpsを達成しています(※2)。
Broad WiMAXの特長(3) 料金プランがリーズナブル
Broad WiMAXの料金プランは、ギガ放題プラスDX(3年)プラン、ギガ放題プラス(2年)プラン、そしてギガ放題プランの3プランから選べます。
現在はキャンペーン中で、ギガ放題プラスDX(3年)プランは最大3ヶ月月額2,090円(税込)で利用できます。WiMAX陣営の中でも“月額最安級”のリーズナブルさです(各通信事業者のHPで公表されているWiMAX+5Gサービス15社の月額基本料の比較において。自社調べ(2022年3月時点))。(※3)
初期費用は通常時20,743円ですが、現在はWeb割キャンペーンが適用されて「0円」となることも魅力です。
また、「他社からの乗り換えキャンペーン」、「2台同時お申し込みキャンペーン」などのキャンペーンを行なっている場合もあるので、随時チェックしてみましょう。
Broad WiMAXの特長(4) 通信速度制限の変更で、より快適な「実質無制限」に
Broad WiMAXのデータ容量は、これまで直近3日間の通信量が合計15GB以上の場合、通信速度が一律に制限されていました。
しかし、昨今のコンテンツの大容量化、リモートワーク需要等に合わせ、より快適に利用できるよう通信速度制限方法が2022年2月1日に変更されました(※4)。
(※1)5Gは一部地域での提供となります。
(※2)接続機器使用時の通信速度は、通信環境等により異なります。下り最大速度2.7Gbpsは一部地域(5G地域)での提供となります。
本サービスはベストエフォート型サービスです。記載の速度は技術規格上の最大値であり、実使用速度を示すものではありません。エリア内であっても、利用環境、回線の状況等により大幅に低下する場合があります。通信速度は機器の能力に依存します。通信速度は、今後、速度低下も含め、変更になる可能性があります。
(※3)契約時には別途、機種代金と事務手数料3,300円(税込)が必要です。
(※4)エリア混雑状況やネットワークの継続的な高負荷などが発生した場合、状況が改善するまでの間、サービス安定提供のための速度制限を行う場合があります。
Broad WiMAXのホームルーター
Broad WiMAXの最新ホームルーターは、「Speed Wi-Fi HOME 5G L12」です。
工事不要で、コンセントにつなぐだけでインターネットを楽しめます。
WiFiは、802.11a/b/g/n/ac/axと幅広く対応しているので、どんなデバイスでも WiFiと接続できます。
もちろん周波数帯は2.4GHzと5GHzと両方使用できるので、使用環境に応じて、デバイス側で2.4GHzと5GHzを使い分けることができます。
最大同時接続台数は40台。さらにWi-Fi6 4ストリーム対応なので、「WiFiが遅い・繋がらない」という不満を解消。快適な在宅ネットワークを提供してくれます。
Broad WiMAXのモバイル型WiFi
Broad WiMAXの最新モバイル型WiFiは、「Speed Wi-Fi 5G X11」です。
約174gと軽量で、持ち運びに大変便利。4,000mAhの大容量バッテリーを搭載しているので、外出先の長時間使用でも安心です。
WiFiは、802.11a/b/g/n/ac/axと幅広く対応しているので、どんなデバイスでも WiFiと接続できます。
もちろん周波数帯は2.4GHzと5GHzと両方使用できるので、使用環境に応じて、デバイス側で2.4GHzと5GHzを使い分けることができます。
外出先はもちろん、室内でもそのまま利用できます。室内利用なら、アンテナ内蔵のクレードルがあれば通信品質がより安定し、自動で充電してくれるのも便利です(クレードルは有料オプション)。
まとめ
WiFiを使うとき、2.4GHzか5GHzのどちらを使うかで迷ったときは、まずは通信速度が速くて安定している5GHzを使ってみましょう。
その上で、障害物や距離などが影響して5GHzでつながりが悪い場合は、2.4GHzを試すことをおすすめします。
【監修者】
坂倉 泰之(さかくら・やすゆき)
株式会社ビットリンク代表。
名古屋を拠点にエンジニアとして活躍。高い知見と旺盛な好奇心でIT業界全般に詳しい。